斬らなイカ?

武術、武道、日本刀とか。

『武蔵流剣術』DVDフォローアップ体験会に行ってきました

10/28に開催された、高無宝良先生の『高無宝良 武蔵流剣術 - 宮本武蔵の二刀流 実技とその変遷』DVDフォローアップ体験会に行ってきました。

DVDは今年5月に発売された、二天一流および二天流の技法、コンセプト、稽古方法などを収録されたものです。今回はその内容を実際に体験できる*1という貴重な会でした。

DVDについてはレビューを書いているので、こちらも参照してください。

nowsprinting-ma.hatenablog.com

体験会の流れ

先のレビューの通り、このDVDでは型の紹介から入るのではなく、二刀で戦う上でのコンセプトとしてまず「十字受」の技法を紹介し、そのバリエーションや受けからの変化を中心に据えた構成になっています。

従って体験会も、ウォームアップとして素振りと歩法の後、十字受とそのバリエーションを二人一組で稽古するという流れでした。

また、これは途中でお話されたのですが、相手の太刀筋や間合い(拍子・タイミングと同義)によって色々と応じ方はあるが、判断*2つかない場合は正面で十字受してそのまま押しきる、とのこと。 この、"other"の選択肢を基礎として最初に稽古するのはとても理にかなっていると思います。

十字受

DVD収録順とは異なり、まず二天流の十字受から。これは武蔵の壮年期の技であり、後年の二天一流の技に比べて身体を大きく使うものです。その後、二天一流の"静かな"十字受に入りましたが、基本的な身体の使いかたは同じであることを強調されていました。

左右の刀で相手の攻撃を"体の中心で"受けるというのは意外と難しいのですが*3、中心で受けることができてはじめて、そこから適切な変化ができるわけです。かなり鍛錬し応えのある技だと感じました。

ちなみに、たまたま袈裟斬りに対する十字受のときに高無先生に相手をしていただいたのですが、私の袈裟斬りを先生がぴったりと中心で受け止められたときの感覚がとにかく「すごい」の一言で、とても良い経験をさせていただきました。

越す拍子、付ける拍子

「越す拍子」は、遠い間合いで相手が自分の刀を打払いにくるという想定で、この想定自体は英信流の組太刀にもありますが、これを外して下向きに十字受するのは二刀特有で新鮮でした。とにかくこのシチュエーションで体をかわしたり入身になったりしないのは二刀ならではでしょう。

また「付ける拍子」は、通常の下段ではなく、両刀を下ろした構え(武蔵の肖像画にあるあれ)によって起こりうる近い間合いだと思うのですが、これも非常に二刀の特性が出ている技で面白いものでした。

突きに対する十字受

最後に、一人一回ずつでしたが、槍による突きを十字受して詰めるという体験もできました。基本通りの十字受で突きにも対処できるというものですが、突きを身体で避けてしまうとかえって引き込んでしまうなど、メンタルが試される部分もありそうでした。

所感

DVDのコンセプトもとても良いものでしたが、さらに今回のような体験会が開催されるのは大変ありがたく、ぜひさらに反響があって第二回も企画されると嬉しいな、と思いこれを書いています。

全体に良い雰囲気でしたし、懇親会でも色々な流派の方と武術の話ができ、とてもとても有意義な会でした。高無先生ならびに関係者、参加者の皆様、ありがとうございました。

*1:しかもDVD購入者にはわずか¥1,000で!

*2:頭で考えて判断するわけではないのですが、いい表現がなかったのでこのままで

*3:ひとつ言い訳をすると、持参した小刀が二刀で使うものより短かったため中心で捉えるのがより難しかった、というのはありますが、言い訳。